ユーロシティ(EC)でイタリアへ〜ヨーロッパ鉄道旅行ダイジェスト(2)
これからEC(ユーロシティ/ヨーロッパの国際特急)で約8時間かけてヴェネツィアへ向かいます。短い旅行期間の貴重な一日をずっと列車に乗って過ごすのはもったいない気もしますが、夜行ばっかりでは車窓は楽しめないですし、TGV、ICE、CISなど高速列車網が発展しているヨーロッパで、昔の雰囲気を残した客車による国際特急に乗ってみたかったという理由もあります。ま、鉄道好きなので、列車にのんびりと乗るのも大きな楽しみの一つなのですが。
EC85は全車トレニタリア(イタリア国鉄の列車運行を引き継いだ民営会社)の客車による編成でした。ECだからと言って、特別な車両が充当されている訳ではなく、薄汚れくたびれた感じの車両が連なっていて、窓も汚れが目立ちました。私の乗った車両は1等のコンパートメント車両で、1室の定員は6名です。少々くたびれた感じとは言え、ゆったりとしていて、足を伸ばさなければ、前の人の足がぶつかって困るという事もなさそうです。コンセントが付いていたのが意外で、ビジネスマンのPC利用を考慮したものでしょうか。ヴェローナで下車するまで、約6時間、この車内で過ごします。 
ミュンヘン中央駅出発時点では一人だったのですが、次に停車したミュンヘン東駅で、4〜50代の男性4人が乗車しました。これから同じ室内で旅をする人々、旅は道連れ…、「Hello!」と軽く挨拶を交わしました。とは言え、知らない人4人との同室は少々息苦しく、コンパートメントが一気に狭くなった感覚を覚えます。その男性達は書類やPCを広げ、何か仕事の話をしています。私は移り変わる車窓を眺めます。
列車はいつの間にかオーストリアに入っていました。国境越えとは言っても、 オーストリアとドイツはシェンゲン協定施行国なので、パスポートのチェックなどと言った、出入国審査は無く、国境を越えた時を実感する事は無かったです。ただ、オーストリア国鉄の車両が多く目に付くようになり、ああオーストリアに入ったんだなあと実感しました。そして雪を頂いたチロルの山々が車窓に連続し、列車はチロル州の州都インスブルッグに停車します。同室の人々はここで下車し。コンパートメントは再び私一人になります。
今回、ECで目的にし、楽しみにしていたものの一つはコレ!
日本ではもう特殊となってしまった食堂車です。ヨーロッパでは食堂車が健在で、特にイタリアでは、ユーロシティや、高速列車ES★(エウロスター)、インターシティ(特急列車)に食堂車が連結されている列車がまだ多くあります。パン、プリモ・ピアット、セコンド・ピアット、ドルチェと続く軽いイタリアンのコースで、値段は確か20ユーロ程度。食後にはエスプレッソを追加。味はまあまあ。でもレールファンの私には、揺れる車内で車窓を眺めながらの食事は格別です。
列車は既にイタリアに入り、停車する各駅では、これまでと違って多くの人が乗り込んだ様子。一時間ちょっとで食事を済ませ、自分の部屋に戻ると2人の乗客がいました。ぶどう畑の中を走り抜け、15:00過ぎにヴェローナーに到着。

ヴェローナで機関車交換、進行方向が変わります。新たに機関車が連結されたEC85の横を、ブレンナー峠からこの駅まで牽引してきた機関車が通り過ぎます。解結された機関車の運転士が、窓から首を出し、ホームにいる同僚に何かを話しかけています。日本では考えられませんが、良くも悪くもイタリアらしいざっくばらんな光景です。私はここで下車しますが、EC85はローマまでの旅がまだ続きます。ローマ到着は夜の8時過ぎ。まだまだですね。
TGVなど新しい車両はともかく、ヨーロッパでは、コンパートメントの座席車が多く、それが日本人の私には、知らない人と同室なんて嫌じゃないのかと思い理解できなかったのですが、今回、コンパートメントの座席を長時間利用して悪くはないかもと思いました。オープンタイプなら、他の人の動きがあり、時にざわついたりするのですが、コンパートメントだと、部屋の外の人の動きがあまり気にならず静粛が保たれやすいと感じたからです。まあ、今回は、1等で室内がゆったりし客層も良かったとか、同室の人が変な人じゃなかったとか、満員にならなかったなど、運が良かったというのもあると思います。コンパートメントは、グループでは一部屋を占有すればプライベートな空間となる利点もあります。
ヴェローナ駅でヴェネツィア行きECチザルピーノに乗換えます。チザルピーノはチザルピーノ社による、スイスとイタリアを結ぶ特急列車で、この列車ははるばるチューリヒからアルプスを越えやってきました。先ほどのECと違いオープンタイプの客室で、正直、こちらの方がほっとします。内装はきれいに改装されたものが使われています。
ヴェネッイア・メストレ駅を出ると海を渡る長い橋を渡り、ヴェネツィア本島側の駅、サンタルチア駅に到着。約8年ぶりのヴェネツィアです。駅舎を抜けると、目の前には中世の情緒を存分に残す街並みと、大運河が出迎えてくれました。
テーマ:ヨーロッパ旅行記│ジャンル:旅行
鉄道旅行
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│2008/02/15(金)03:39
